自分が痛くないことを知覚するのはむずかしい
先日、こんな記事を書いたけど、やっぱり人には「当事者」にならないとわからないことが多いようです。
本日2020年10月14日は、Twitterで「例の漫画」というワードがバズっています。また、フランスで開かれる予定だった「モンゴル帝国」に関する企画展を中国が検閲した件も局所的に注目されています。
例の漫画とは?
ちょっと前に流れてきたマンガだったと先ほど気づきました。流れてきた時に「あぁ、お仕事マンガだな」と思って読んだけど、その時に抱いたのは『このマンガ自体に編集者が必要だな』という、それぐらい。
それなのに。運命のいたずらで、バズと炎上の間を漂っています。
「3人でゲームつくるマンガ」という作品です。下記noteで読めます。
※「例の漫画」って、巻き込みを回避したのかもしれませんが、伏せ字のようにするべき内容でもない。それ自体が不思議(結果的にはトレンドに上がるし、変な憶測を生みそうなんですよね)。
共感の罠
この作品には、人を不安にさせる要素が多い。ただ、おそろしいことに、真実も含まれているんですよ。ていうか、フィクションじゃん。
状況を知らないわけではなく、商業的なフィクションを扱う人のなかに、これに過剰とも言える反応をする人がいる。すべて目を通してはいないけれど「自分や教え子が、かつてそのような経験をしたから」という意見が少なくない。
いや……? それって……?
極端な話、「乳袋を、萌え絵をけなすのおかしい」と言う人は、嫌な目にあったことがない「だけ」だったんじゃないのかな……ってことになる。
そういうことでは、ないですよね。
フランスの博物館の件
これについては、中国が圧力「チンギスハン」を削除せよ 仏博物館、企画展延期にという記事が詳しいです。
この記事について、Twitterでけっこう言及されてました(上記の件と同じ人ではありません。当然ながら)。隠れモンゴルクラスタなので、ちょっとでも言及されるとうれしい(そういう態度はよくないと思うけど)。そうそう産経新聞でも取り上げてました。全体的な風潮は「とにかくこんなことは許されない、歴史への冒瀆」です。そりゃ当然なんですけど、これって「とある国で従軍慰安婦についての展示をやったら、日本の官庁が検閲した」のと同じですからね。
当事者の経験を一般化するのは、かなり難しそうだということ、Twitterばかりやってたらダメだということがわかりました。それもTwitterばかりやってみないとわかりませんね。
Photo by Michael Dziedzic on Unsplash