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9.11とグリーン・デイ

グリーン・デイが日本公演を延期との報。しばらく来ないんじゃないか・・・。

デビューから何十年たっても見せつけてくる、悪ガキ3人組のこの雰囲気。「やってられねー!」ってときにヘッドフォンでガンガンに鳴らした音。ノスタルジーでもなんでもいいから、現実を乗りきらたいときには最高の武器になる。既にそれって若者の代弁でもないのだけど、でもとにかく「この世はクソったれ」と言い続けている存在は、心強い。まごうことなき懐古主義ですが。

個人的には、リアルタイム的な出会いで言うと『American idiot』のリリース時にぶち当たっていたので、9.11と重ねて見てしまうことが多い。

というわけで9.11の話。この2月で、アメリカはアフガニスタンでの駐留を終える。どうやら正式にサインしたようだ。そこでNYタイムズの、このまとめ記事がすごく良い。(Photos From America’s Longest War)※戦争を撮ったもので、衝撃的な写真が含まれます。連日ソースが同じですみませんが・・・

ともあれ9.11について。

今にして思えば、世の中の尺度について知っていく、その始まりがこの頃だった。WTC崩落のニュースを見て喜ぶ人がいるのに「信じられない」という人がこんなに多いのか、と。こっちが信じられない気持ちだったのだ。女子学生がお酌しないと不機嫌になる教官に「時代錯誤でバカバカしい」と思っていたが、就活中にそれが未だ世の中の暗黙知だと知った。学生時代の鬱々とした気分を引きずったまま社会に出た新卒1年目には、中東に支援活動をしに行って人質にされた日本での反応があって、むしろ世の中の多くの態度に唖然とした。

だから2011年に、日本が分断されたというのも「え、もともとでしょ? 何をいまさら」などと思っていた。

9.11当時、わたしは横田基地からほど近い場所に住んでいて、毎日行き交う飛行機の音がとにかく不快だった。他人の国の話じゃない。東京都から輸送機だって飛び立っていたし、明らかに戦闘機の形をした飛行物体が訓練していた。

そこから約20年。ようやくアメリカの駐留が終わる。一連のこの長い戦争で、誰が、何を得たのだろう。ほんとうに戦争なんて誰もしたくないのに、なんでこんなことしてるんだろうって気持ちが強くなるばかりだ。橋本治の『20世紀』をざっくりと借りれば、19-20世紀の物語は終わっても、物語が生んだ苦しみと向かい合い続ける、それが20-21世紀だ、とでも言いたげである。

しかし。他の国の話をしてる場合じゃないのかもしれない。誰に問われるでもなく、「お前は何をしてきたのか」と自問すると「ただ生きてきた」としか答えようがない。この20年、生きるのに必死だった。生み出したものが何もないというのは、これまでの出来事に対して失礼だけど、ほんとに、びっくりするほど、生きてるだけだったような気がする。

ところで、パンクのイベントに行くと年上のお兄さんたちは「グリーン・デイはパンクなのか問題」で言い争ってたのだが、当時若かったわたしは「ジョー・ストラマーもビリーもどっちもカッコいいでいいじゃん」などと身も蓋もないことを言って「かわいい」などと言われたのだった。青かった。自分が30まで生きるわけないと思いながら、目の前のオジサンはとっくに40過ぎていることに気づかずに。だからやっぱり、このままではマズいのだ。

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