小学館の女性向けカジュアルファッション誌「PS」が最終号を迎えた。
雑誌休刊のニュースには慣れてきたものの、来月からマガジンスタンドで「PS」の2文字が見れないと思うと、好きなバンドが解散してしまうような気分になる。もちろん悲しいのだけど、ある時代の終わりと始まりに立ち会った感慨が押し寄せる、あの感じだ。
前身の雑誌「プチセブン」黄金期はわたしの中学生時代と重なる。思えば、初めて明治通りに行ったのは、「プチセブン」に載ってたお買い物マップだった。そこでトラコン(TRANS CONTINENTS…*1)のリュックを買い…あれは10年ぐらい使っていたな。しかし女子高生になったら自然と「プチセブン」を読まなくなり、同じように「プチセブン」を囲んでいた同級生がギャルだとかガーリーだとかコンサバだとか……いろんな方向に分化したのだった。
物心ついたらバブルは弾けとび、そこかしこに名残がありそれが一部のコギャル文化につながり、授業はゆとり前哨戦で詰め込まれもせず生活科も受けてない、デジタルネイティヴにもなり損ねた微妙な立ち位置。そんな人々が「大人」になる必要に迫られる時期の休刊。
カジュアル誌は年代を越えられないのだろうか? と思いながらページをめくってみた。
…*1:セレクトショップで人気を博したブランドです。2004年に業績悪化を理由に東急グループから他会社に譲渡されて以降は迷走し、ブランドも休止。2009年にポイントが再スタートさせたものの、1年足らずで休止になりました。大好きな洋服だったので復活は楽しみでしたが、ブランド文化は名前だけでは成り立たないのだなーとつくづく思った出来事です。
参考:「TRANS CONTINENTS(トランスコンチネンツ)」再びブランド休止 – ファッションニュース – 2010年04月05日 – Fashionsnap.com
■ライフスタイルと組版
電子書籍になるときに問題になる「縦組み」が、むしろ紙媒体の限界を作っているのかもしれない。
・P92「中島美嘉のファッションSketchbook」
縦組みの記事内に編集部からのコメント『(プライベートのお休みにまでお邪魔してゴメンね(–;))』という部分。最後の(–;)を顔文字に見せるために全角一文字分に(おそらく外字を使って)入れている。仕方のないことだけど、一文字に凝縮されることによって顔文字のバランスが崩れ、結果的にニュアンスが伝わりづらい状況のように見える。このような顔文字の使い方は珍しくないのだけれど、最終号だと思うと、どうしても表面張力のような努力を感じてしまった。
日本語における縦組み・縦書きの可読性や柔軟性は高いレベルにある(少なくとも2011年現在は)。「すべて横組みに!」と言うつもりは毛頭ないが、やはり日常生活で縦書きを使う機会はどんどん減っている。そんな状況でストリート発の情報を発信する際、従来の組版ルールが「帯に短し、たすきに長し」になる場面は増えていくのだろうなと思う。これまで以上に。
■PS的クロニクルは時代を語る
・P99「’00年代 ガーリーカジュアルのまとめ!!」
90年代後半から2011年までの「ガーリー」カジュアルをクロニクルにまとめたもの。当時を振り返る人と、初めて触れる人とでは、温度差が生まれる企画だろう。もうすぐ30のわたしにとっては、「あるある」と頷くことばかりだ。
スタイリスト林田さんのコメントが気になる。垣根がなくなった最近のトレンドを「自然体で良い」と言う。それは正しいけれど、そこに雑誌の休刊理由のひとつがあるのだろう。
おそらく、わざわざ「この雑誌を」開く意味がない。どの雑誌を開いても同じ(ような)服、トピックスが載る。「カジュアル」×「カルチャー」という枠の中で増殖した多様性を受け止めるだけの媒体数が確保できず(おそらく編集部→雑誌というスタイルではカバーできない)、その結果が総花的で均質な変化をもたらしたように思う。
俗に言う「ギャル」とか「まだまだギャルでいたい」読者層がの支持を集める雑誌は、読み手から価値をはっきりと認められている気がする。PS読者がMURUの服を買うことはあっても、おそらくその逆は推奨されていない。
こうして見ていくと、山手線に揺られながら目にとまるKAMO原宿店って、不動の構えを見せているなーと感服する。
■発信側と受信側のつながりに違和感
最終号のスナップ特集では、女優、アーティスト、モデルから街行く人まで取材。小さなブームに沿って、いろんな着こなしがピックアップされている。この特集内での、かすかな違和感のメモが以下。ただし、わたし自身がすでにメインターゲットではないので、トンチンカンなことを言っていたら申し訳ない。
・P36「Boom Catch! 5 <渋めのカラーいろいろにメロメロ♡(ハート)レトロカラリズム♪> —また繰り返す♪ カラートレンド♪」
Perfume登場。「出没!Perfume」で1年半ほど連載を組まれているにもかかわらず、「ポリリズム」を感じさせる記事展開に気まずさを感じた。ただ、これはもう「鉄板」ネタということか。今年辺りのレトロカラーは特に「渋いけどポップな色づかい」がキーだから、新曲「スパイス」で展開しても大丈夫だと思うのだけど。
・P38「Boom Catch! 6 <チェッカーズを要check!>—わかってくれとは言わないが〜チェック柄が好きなのさ♪」
要するに「チェックは今年もブームです」という内容。Ciaopanicの男性プレスを『アパレル界の藤井フミヤ』と紹介していたのだが、わたしは「チェッカーズがチェックの服を着て、ツンツンの髪型をしていた伝説」とつながるまでにタイムラグがあった。20代前半…むしろ10代の若者はついてこれるのだろうか? と違和感をおぼえた。しかし、これはわたしのリサーチ不足かもしれず、むしろ若者にとっては親世代だから知ってるのかもしれない。
*番外編*
■「思えば、あの頃私は若かった」
いちいちうなずくことが多い。しかし、みんなきっと、あと10年後も今を思い出してそんなことを言うのだろう。わたしはむしろ、まだ同じことをしているようです(特に「お金編」)。まだまだ大人の女性には程遠いと身にしみています。










2011 年 11 月 21 日 月曜日, 01:21 | 


